ルルルとリリリ(下) 〜とっても小さな九つの国②〜

ルルルとリリリ(下) 〜とっても小さな九つの国②〜

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    200 JPY

本作『ルルルとリリリ』は、ほんわかとしたお伽噺『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の五年後のお話です。著者ブログに連載されたものに加筆修正し、全話の扉に描き下ろしの挿し絵を加えました。挿し絵の数は上下巻合わせてなんと93点! 〜ものがたり〜 ルルルとリリリがそれぞれの国に帰って五年が経ちました。平和な暮らしが続いていたと思ったのに、リリリのもとには良くない噂が聞こえてきます。モースモースの国にまたも恐ろしい大蛇が現われ、子供たちをさらっているというのです。 ルルルの住むユッポユッポでも、ずっと姿を現していなかった化け物イカがまた出てきて、とうとう犠牲が出てしまいました。 二人はそれぞれ、どうにかしなきゃ! って思いました。でも、どうすれば良いのでしょう? ルルルは、そしてリリリは考え、行動を始めます! 楽しくてちょっぴり怖くて、勇気もりもりの冒険が待っています。 さあ、みなさんも一緒に旅立ちましょう! (本書をお読みになる前に、『ルルルとリリリ上』をお読みくださいね) ■■■ 立ち読みコーナー(電子書籍では全漢字にルビを振っています)■■■ 44.ちょっとした魔女  宿屋のお婆さんは、晴れやかな顔で朝ごはんを運んでいます。リリリは元気にお早うございます、と言って、お鍋をかき混ぜるお婆さんの横に立ちました。 「それじゃあ、もう帰るのかい?」 「はい」 「フックフックまで、かい?」 「いいえ、ユッポユッポでルルルを待たなきゃいけないから」 「ああ……、そうだったねえ」  お婆さんは、ゆっくりとお鍋をかき混ぜています。 「ユッポユッポまで、あんたのロバだとどのくらいかかるかね?」 「さあ……」  そういえば、リリリはそんなことを考えたことがありませんでした。プーレプーレからここまでは、あっという間だったのですから、無理もありませんね。お婆さんは手を止めて、リリリの顔を覗き込みます。 「一週間」 「え?」 「きっと、そのくらいはかかっちまうだろうねえ」 「そんなに、ですか?」 「あのロバの足じゃあなあ」  お婆さんは窓の外をうかがうように、ちょっと背中を伸ばしました。本当は、リリリはルルルが働いているトッカトッカまで行きたかったのです。でも、トッカトッカはもっと遠いのですから、きっと、十日あっても着くことができないでしょう。 「泊まるところや、食べるものはどうする? お金は、たっぷり持っているのかい?」  リリリは、お婆さんの言葉に愕然としました。そうです、ここまでくれば、リンガリンガおばばさまが見つかれば、何もかもがうまくいくなんて、勝手に思い込んでいたのです。エビネルさんから渡されたお金だって、そんなにたくさんではありませんでしたし。 「お金は……」  リリリがついたため息に、お婆さんは優しい笑みを返しました。 「ケーリアはいないけど、他のちょっとした魔女だったら会わせることができるよ。きっと、あんたを無事に送り届ける方法を、見つけてくれるだろうからさあ」  まあ、お婆さんはなんて優しいのでしょう。嬉しさが、リリリの顔いっぱいに溢れました。  朝ごはんを終えると、お婆さんはマギーラという名の魔女の家にリリリを案内してくれたのでした。  (本編に続く)

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本作『ルルルとリリリ』は、ほんわかとしたお伽噺『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の五年後のお話です。著者ブログに連載されたものに加筆修正し、全話の扉に描き下ろしの挿し絵を加えました。挿し絵の数は上下巻合わせてなんと93点! 〜ものがたり〜 ルルルとリリリがそれぞれの国に帰って五年が経ちました。平和な暮らしが続いていたと思ったのに、リリリのもとには良くない噂が聞こえてきます。モースモースの国にまたも恐ろしい大蛇が現われ、子供たちをさらっているというのです。 ルルルの住むユッポユッポでも、ずっと姿を現していなかった化け物イカがまた出てきて、とうとう犠牲が出てしまいました。 二人はそれぞれ、どうにかしなきゃ! って思いました。でも、どうすれば良いのでしょう? ルルルは、そしてリリリは考え、行動を始めます! 楽しくてちょっぴり怖くて、勇気もりもりの冒険が待っています。 さあ、みなさんも一緒に旅立ちましょう! (本書をお読みになる前に、『ルルルとリリリ上』をお読みくださいね) ■■■ 立ち読みコーナー(電子書籍では全漢字にルビを振っています)■■■ 44.ちょっとした魔女  宿屋のお婆さんは、晴れやかな顔で朝ごはんを運んでいます。リリリは元気にお早うございます、と言って、お鍋をかき混ぜるお婆さんの横に立ちました。 「それじゃあ、もう帰るのかい?」 「はい」 「フックフックまで、かい?」 「いいえ、ユッポユッポでルルルを待たなきゃいけないから」 「ああ……、そうだったねえ」  お婆さんは、ゆっくりとお鍋をかき混ぜています。 「ユッポユッポまで、あんたのロバだとどのくらいかかるかね?」 「さあ……」  そういえば、リリリはそんなことを考えたことがありませんでした。プーレプーレからここまでは、あっという間だったのですから、無理もありませんね。お婆さんは手を止めて、リリリの顔を覗き込みます。 「一週間」 「え?」 「きっと、そのくらいはかかっちまうだろうねえ」 「そんなに、ですか?」 「あのロバの足じゃあなあ」  お婆さんは窓の外をうかがうように、ちょっと背中を伸ばしました。本当は、リリリはルルルが働いているトッカトッカまで行きたかったのです。でも、トッカトッカはもっと遠いのですから、きっと、十日あっても着くことができないでしょう。 「泊まるところや、食べるものはどうする? お金は、たっぷり持っているのかい?」  リリリは、お婆さんの言葉に愕然としました。そうです、ここまでくれば、リンガリンガおばばさまが見つかれば、何もかもがうまくいくなんて、勝手に思い込んでいたのです。エビネルさんから渡されたお金だって、そんなにたくさんではありませんでしたし。 「お金は……」  リリリがついたため息に、お婆さんは優しい笑みを返しました。 「ケーリアはいないけど、他のちょっとした魔女だったら会わせることができるよ。きっと、あんたを無事に送り届ける方法を、見つけてくれるだろうからさあ」  まあ、お婆さんはなんて優しいのでしょう。嬉しさが、リリリの顔いっぱいに溢れました。  朝ごはんを終えると、お婆さんはマギーラという名の魔女の家にリリリを案内してくれたのでした。  (本編に続く)